Makassar_Indonesia_12_蝶の谷


仕事で係わっている或る浄水場の水源がBantimurung渓谷となっている。

踏査に行ったところ、ここは生物分布の“ウォーレス線”のウォーレスが好んで滞在して多数の蝶の新種を発見したという、世界的に有名な場所だと言う事がわかった。

確かに、この谷に限らずこの近辺は蝶が多い。車で走っていても良く目に付く。

  

土産屋の標本にユリシーズ・バタフライ(Ulysses butterfly)を見つけた。オーストラリア・クイーンズランドの熱帯雨林に3ヶ月程滞在していた頃、よく見かけた蝶なので懐かしかった。
こいつがヒラヒラと視界を横切るとつい見惚れたものだった。その光沢の在る青の舞以外は時間が止まったようだった。

Last pic from Google

Makassar_Indonesia_11_イガイガの王様


そういやフルーツネタを全然記録していなかった。何もかもが当たり前になってしまう長期滞在者の悪いクセである。

ここのところ、土曜はドリアン、という妙な習慣が俺とボスの間の暗黙の了解一歩手前になっている。まあ海上自衛隊が土曜(今は金曜)にカレーを食べるようなものである。 (・・・全然違うのは分かっているがほっといてくれ!)

この週末は、スーパーで買い物して、帰りにドリアン屋さん(街中に収穫期に出現する)に寄って行こう、というコトになっていた。



しかし(匂いで何となく察知はしていたのだが)、スーパーの一角に臨時ドリアン屋さんが鎮座していたので、自然にここで食っていこう、ということになった。





小さめの、1個5,000ルピア(約50円)から取り揃えているようであったが、我々は少々奮発(?)して、10,000ルピアのドリアンを2個購入して取っ付いた。






ドリアンは種の周囲に付着している粘着性の果肉部分を削ぐ様に食べるので、手を使って若干タタカイ気味に、まあ余りスマートでない感じに食す。食いたいけど面倒くさい、というのはカニを食っているときの感覚に似ている。





「アボガドとドリアンはパンに塗って食うとウマイ!!」という未だかつて誰も賛同してくれない信念を力強く持っている俺は、抜かりなくホテルの朝食からくすねて来たパンをオモムロに取り出した。“その周到さを仕事に生かして欲しい・・・”というボスの視線をよそに、このイガイガ王を平らげたのであった。

p.s.
誰が言い出したが知らんが、ドリアンを“フルーツの王様”(最初の写真のRAJAは“王”の意)などと言うようだが、そう認める日本人は余り居ないと思う。俺の周囲の日本人の反応を見ていると、ざっと以下のようである。
・定期的に食いたい : 10%
・あれば食べる : 20%
・(ネタ的に)1度食べればもう結構 : 50%
・食べたいと思わない : 20%
という感じである。ちなみに俺は「定期的に」と「あれば」の間くらいだと思う。基本臭いもん好きだし。あ、なお「(機会が)あれば」になってしまうのは、匂いのため“持込禁止”にしているホテルが多く、外食限定に成りがちなためである。
また、万人受けする訳でもないのに必死に自己防衛している様子は滑稽で、“王”どころか巷に良くいる“ただの勘違い女”程度のもんじゃないの? と個人的には思っている。

Makassar_Indonesia_10_沖の小島で、ぷらんぷらん。 (その2)


仕事も一息ついた週末は、どこかで羽根を伸ばしたくなる。 と、言っても、行くところは一つ。我々は素直に以前も訪れたマカッサル沖の小島へ向った。



小船に揺られ、20-30分で到着。


5-10分くらいで一周してしまう島をじゃらん-じゃらんしたり、

 

 スノーケリングしたりして昼まで遊び、







飽きたところで飯にする。

こんなにたくさん魚が居るのに、当初、威丈高だったフィッシング組の釣果はほとんどなく、


結局漁師から魚を買って焼いてもらい、例によってサンバルカレーと共に平らげる。



後は飽きるまで昼寝や読書をしながら、そよ風に身を委ねるシアワセな午後を過ごして英気を養った。

Pix by KKMさん&俺

Makassar_Indonesia_09_ホテル暮らしこそ我が人生

以前、映画俳優のアンソニー・ホプキンスがインタヴューか何かで
 -「ホテル暮らしこそ我が人生。」 、と言っていた。


高校生の頃、映画ばかり見ていた時期があったから多分その頃の記憶だろう。となると20年も前の話である。当時俺はテント泊が旅行の基本宿泊形態で、YHすら贅沢だった。ホテル暮らしなんて想像つかなかった筈だが、何故か今までそのセリフが頭の片隅にずーっとあったようだ。

そのフレーズをよく思い起こす、今日この頃である。

1st pic from Google

Makassar_Indonesia_08_じゃらんじゃらん、ぱぎぱぎ。


マカッサル港の南、以前遠かった砂州に橋が架かってアクセスが良くなったので、ジョギングしてみた。ホテルの朝食は6時からで、いつも一番乗りしている俺としては、5.50には戻りたいし、少なくとも30分は走りたい。
てな訳で、5.15位にホテルから走り出すと、外はまだ真っ暗だった。

道が良く見えず、余り良いコンディションではなかったが、星がきれいだった。
西のマカッサル海峡に向かって走ると、沈んでゆく南十字星が正面にあった。見上げると、蠍座が悠々と夜の大空に横たわっている。日本の感覚だと蠍座は地平線をかすめるものなので、「遠くに来たな」と実感する。南十字星は見慣れてくるとさほど立派な星座じゃないから、むしろでっかく、見覚えのある蠍座の見え方の違いに異国情緒を感じた。

5.30頃、天文薄明(空が明るくなってから、日の出までの時間)を迎えると、一斉に周囲に船出の音が聞こえ始めた。

星空のpagi-pagi(早朝)に jalan-jalan(ぶらぶらする)のも悪くない、朝起きは3ルピーの得、ってなもんか。

*)ぷちネシア語講座;pagi(朝)を重ねると、pagi-pagi(早朝)、jalan(道)を重ねると、jalan-jalan(散歩する、ぶらつく、ジョグする等)の意味になる。

pic from Google

Manado_Indonesia

スラウェシ随一の観光地、マナド(メナド)に行くチャンスを得た。そこで突然ながら日本人3人で行き当たりバッ旅に出かけた。今回の踏査の(とってつけた)目的は、

1. メナード美人伝説の確認と目の保養
2. マリンダイビング
3. マナド名物(らしい)犬と猿の肉に舌鼓


である。が、俺自身はイキナリ 1.のためのメガネ、2.のための認定証を持参するのを忘れた。
やる気無さ過ぎである。



まあともあれ、たまにはリゾートホテルなどにチェックインし、日中は街で美人探しに精を出し、ホテルに戻って夕陽など眺めて静かにビールを飲み、ビーチで平和な夜を過ごしたりする。

2日目、シーラカンスが見つかったことで有名なブナケン島周辺に散在するスポットで、マリンダイビングにいそしむことにした。


天気快晴・波低し、のダイビング日和であった。白々しく「あ、認定証部屋に忘れちゃった!」と言ったら“Tidak apa-apa ! (no problem)”と言われた。嬉しいような不安なような・・・
インドネシアは、大抵のことは“kira-kira (おおよそ・だいたい)”で済ませてしまうキラキラ社会なのだ。


正直俺は器具を多く使うアクティビティーは好きではない。今では4台持っているチャリですら、最初長いこと好きになれなかった。こんな珊瑚礁の海では、ハッキリ言ってのんびりスノーケリングする方がよっぽど性に合う。

んだけど、いざ潜ってみると、やっぱりダイビングの素晴らしさは例えようも無い。3次元空間を自由に移動できるこの行為は、「空を飛ぶことが出来たらこんな感じなんだろう」という、誰もが夢見る疑似体験をさせてくれる。



俺はよく、山に入って地球を感じるのを楽しんでいるが、海に入れば、同様だけど次元の違う神秘を感じることができる。地球ってすげぇ。

ダイビングで背負ってくタンクは大体50分くらいもつので、1ダイブは小一時間やっている訳だ(この日は2ダイブやった)。1時間、というのはかなりの時間だと思うが、今まで長いと思ったことは一度も無い。むしろ「もう終わりかよ?」といつも思う。


マリンダイビングの後は約24時間空けないと飛行機に乗れない(減圧症になって下手すっと死ぬ)ので、午後早く引き上げて丘でまったりモードに突入する。

木陰で風に揺られて読書しているといつの間にか寝たのか、時間の感覚ゼロの時を過ごす。ハンモックは結び目のコリコリがマッサージ的に気持ちいいのと、背中が涼しいのがいい。ここから抜け出すのは、冬のコタツから這い出るのとタメ張るくらい難しい。


陽が傾くと、例によってビーチ&ビールの最強B&Bで贅沢な黄昏~宵の口を楽しむ。

3日目、何もすべきことが無い、という日本人離れした休日に身をゆだねる。浜辺で相変わらず寝そべって本を読んでいると、浜辺で寝そべって本を読んでいる写真(シーナマコト)が出てきて思わず笑ってしまった。


こんなにゆっくり出来るのは、逆を言えばあんまりできることが無い海外だからだろうな、と思う。日本ではしたいことがありすぎて、“休”日にホントに休むことなんてほとんど無いし・・・

最後に、同行のKKMさん撮影のウミガメ動画をお楽しみください。


ところで、当初の目的だけど、

1. メナード美人伝説の確認と目の保養
- 全会一致でガセネタと決定。 目の保養? ・・血眼になって探したから却って疲れた。

2. マリンダイビング
- よかった。ちなみにシーラカンスはそんな気さくに出ては来ないらしい。

3. マナド名物(らしい)犬と猿の肉に舌鼓
- 忘れてた。食ってない。

Pix by KKM, KWM & koji
水中写真は全部KKMさん撮影だけど、初使用のカメラでホワイトバランス調整の不備による、本人としてはかなり不本意な作品らしい。ともあれ貴重な画像提供有難うございましたm(_ _ )m