海を山でつなぐ旅 (北稜60周年記念山行)

上高地とか紅葉で有名な涸沢、穂高岳など、どのくらい知られているのだろうか?よくポスターに載っている千畳敷カール、日本で2番目に高い北岳や甲斐駒ケ岳など、どの程度一般的なんだろうか。


中部地方にはいくつか大きな山地がある。特に北・中央・南アルプスというのがいわゆる日本アルプスと言うやつで、いま挙げた有名どころはここらにあり、登りごたえのある山々が連なっている。

ワタクシが今年入会した東京北稜山岳会では、その60周年の記念山行として、この夏、この日本アルプスを一通り登ってしまおう、ということになっていた。

とすれば足跡はこんなよーな感じに仕上がるハズだ。

のだが、どうせならこの間もつないでしまおう、と目論んでいたケンタ隊長を俺がけしかけて“つなぎ”計画が具体化していった。

んで、こんな感じになったら もうちょっとイイではないか。

そんなワケで、7月の海の連休からの各隊の成果により、結果はこんな感じになった。

青線:俺も参加したところ

まあ厳密には(俺がつなぎ隊I で手を抜いたので)途切れている所もあるのだが、これで概ね太平洋と日本海が日本アルプス山行によってつながった訳だ。


会旗も日本海・親不知、太平洋・大井川河口へ

シカシこの旗持ちというのは・・

妙~な気分になるナ・・

Pix by Ab&Knt

140821Thu・23・24_つなぎ隊が行く! ~ 太平洋へ

椹島から大井川に沿った河口までのコースを走ってみた。

椹島 - ①(林道19㎞) - 畑薙夏季臨時駐車場 - ②(一般道44㎞) - 千頭 - ③(一般道60㎞) - 大井川河口


8/21 東京からの深夜高速バスで畑薙夏季臨時駐車場に早朝5:30ころ到着、①の区間を3時間ほど走って椹島へ。そのまま登山に切り替え赤石岳を経て荒川小屋へ(前の記事見てね)

8/22 荒川岳を下って、椹島へ。

8/23 椹島から朝イチの送迎バスで再び畑薙夏季臨時駐車場へ。この日はココから千頭(せんず)までの②の区間を走る。

天気は、希望通りの曇り。

小雨もパラついたりして真夏のランニングには最適!

この日、唯一と言っていい町、井川で昼食が取れず、唯一入手できた菓子パンで諦めていたら、幸運にも野菜の直売所のようなところで座ってメシが食えた。

日本のカーボローディングは、やっぱうどんだ

それ以外は、自販機も期待できない田舎道をてくてく走ってゆく。

大井川鉄道・奥大井湖上駅

この日の目的地、千頭の5km手前で雨が降り出し、土砂降りに。くるぶしまで水に浸かる豪雨に見舞われた。一日かけて44kmは短いかな、と思ったが結果的にはOKだった。

濡れネズミになって宿へ。

8/24 千頭から海まで。最終にして最長の③の区間を走る。前日の44㎞はマラソンから想像できたけど、本日は60㎞。100㎞マラソンよりかなり短いし、ちょっとイメージしづらい。


ホントに茶畑ばっかだなぁ

前半は涼しくて、まだ下り坂も若干残っていたので楽だったんだけど・・

大井川や大井川鉄道との付き合いも長くなってきた

残り25kmで太陽が照りだす。いやぁ、暑い。残り18㎞で河川敷に出る。炎天の直射を遮るものが何もない。


熱射病の危険を感じ、風の無い時は歩くことに。水を被ったり、アイスを食ったりして何とか歩を進める。

残り5㎞!海に近づくにつれ、風が吹いてきた!

海が見えた!

海だ海だ!

おーこれが太平洋とかゆーヤツか!

着きましたねぇ。

達成感と安堵感に包まれながら帰路に着く。バス停まで30分、来た道をもどる。

「赤石岳ってドコ?」 「もう見えませんね・・」

100㎞超も、分けて走れば身体へのダメージもほとんど無いし、体重も落ちた(一瞬、BMI:19 達成!)

みなさんも時間のある時に、どうぞ。

Pix by Knt&Kj

140821Thu-22Fri_南アルプス ・ 赤石~荒川岳周遊

南アルプスのド真ん中、椹島(さわらじま)にやって来た。椹島は北アルプスでいう上高地のようなところ、ここまで来て登山しないほど俺たちはアホじゃない。


朝9時、ちょっと遅めのスタートだから一番近い赤石小屋を目指していたら、昼前に着いてしまった。同行のケンタさんと優雅に山小屋メシを食いながら協議、「さすがに午前投宿はナイよなぁ」と次の赤石岳避難小屋まで行くことにした。

赤石ってアレか・・ 赤い?

今回、テント装備ナシで軽身のため妙~に歩調が速く、コースタイムが参考にならず、時間がぜんぜん読めない。

赤石岳山頂、避難小屋に泊まってもいいが、まだ13時台。

結局、不便そうな避難小屋より、次の山小屋(荒川小屋)まで行こうということに。 「2時間って書いてあるから、1時間だよ!」(よみが雑過ぎ・・)

悪沢岳(奥)を眺めながら、最後のトラバース(斜面の横断)。

15時過ぎ、荒川小屋到着。水は豊富で景色も良く、久しぶりの小屋泊りでちょっとハイテンション!

テラスから、移ろいゆく空の色に見惚れる。 ・・・吐息。

未明、トイレに起きる。メガネもかけていないのに牡牛座のプレアデス(すばる)やアルデバランが晃々と輝いているのが判る。うわぁ、こりゃ明日もいい天気だぞ。

明朝、雲一つない快晴。とりあえず荒川三山(前岳・中岳・悪沢岳)の前岳へ。

西に中央アルプス、奥に御嶽。北は槍穂から後立山まで、ず~っと見える。

中岳も越え、悪沢岳へ。


前日の赤石(左)と先ほどの前・中岳(右)

悪沢岳頂上。低いところは雲が出てきたが、西は白山、北は妙高、東は石尾根・丹沢(なぜか筑波山は見えなかった)、南は伊豆半島までのパノラマ大展望。

1,673mの蛭ヶ岳を擁する丹沢が・・ 低ッ

そういや目の前の竜ヶ岳から悪沢岳を眺めたこともあったっけ。

その時の写真

このひと月余りの間に行った、中央アルプス・鋸岳・白馬がここから一望できる。この夏を締めくくるのに相応しい。

中央アルプス隊、つなぎ隊で起点となった駒ヶ根市をナンか見ちゃう。

赤石岳の遥か向こう、伊豆の位置から察するに太平洋上の雲に違いない・・

「俺達あそこまで行くんスよね・・」 「遠いね・・」

前日、進み過ぎたので本日タイヘン暇でありマス。途中、千枚小屋で1時間もコーヒータイム取ったりなんかして、これって大人の山旅?

悪沢岳に別れを告げつつ、椹島に昼ごろ下山。

椹島、そよ風渡る芝生に木陰のベンチ、風呂に生ビール。いやぁこんないい所だったんだぁ。

Pix by Knt & Kj

140812Tue-15Fri_北アルプス最北部、 “日本海へ” -1

イヤイヤ、この盆の前半 必要以上にマッタリしてしまったので、後半はマジメに登山することにした。

初日、JR白馬駅からアクセスの良い猿倉登山口を出発し、白馬岳(しろうまだけ)の山頂へとまっすぐ向かう。

主要ルートは白馬大雪渓

足元の変わり映えのない雪渓を眺めつつひたすら登っていくと、朝からパラついていた雨も上がってきた。

雪渓を過ぎ、軽アイゼンを脱ぐころには青空も

ヨシヨシ、妙高方面の山並みも顔を出してきたぞ・・

山荘の直下は花畑に癒されながら登る・・ 白馬は花の山。

白馬頂上山荘のテン場到着。おっつ、盆だし5時間で登られるし、そりゃ混むわな・・


夕方、天候は急速に回復。杓子岳(中央)・鑓ヶ岳(右)がくっきりと西日に照らされ、岩肌が眩しい。


2日目の朝は快晴微風、昨日までガスってたのか、早朝から山小屋への物資輸送のヘリが飛び交う。


いい天気だなぁ・・

もうすぐ頂上、背後・右に剣岳(つるぎだけ)、となりに立山連峰・・

白馬岳頂上からは、槍までハッキリ見えた。

前日登って来た大雪渓

まだ先は長い、頂上での休憩もそこそこに歩き出す。

とりあえずは、正面に見える雪倉岳を目指す。

振り返ると、白馬、奥に剣。

白馬に負けず、雪倉あたりも花が多い。

マツムシソウはよく見るけど・・

昨日、白馬の花畑にいた指導員に「いま珍しいのありますか?」と聞いたら、

“そうですね・・ ミネウスユキソウ(ふつうの薄雪草より白が強い)と、


“ ・・シロウマアサツキですかね。” とか言ってた

花を楽しみながら歩く雪倉岳までのこの道は本当に平和で、


【 和み系登山道100選 】にゼヒ加えたい!
(んなモン、聞いたコトないけどね)


また、白馬岳から北は山が深く、人も少なくなるから景観を静かにゆっくりと味わうことができる。

雪倉岳山頂でくつろぐ栂海隊・隊長(中央)およびメンバーたち

雪倉から朝日岳方面はアップダウンが激しくなるが、それでも依然としていっぱい咲いている花たちに励まされながら脚を運んだ。

そして辿り着いた朝日平にテントを張りつつ待っていると・・

蓮華温泉から登ってきた別動隊の先輩方と合流!

ヒトに歴史あり・・ ハナシの深みとオモシロミが違う!