090830Sun_多摩丘陵・あの激坂を、もう一度

久しぶりにロードバイクに跨った。

天気も悪く、遠出できる感じでもなかったので八王子・堀之内の六角堂へ長浜ラーメンを食いに行った。俺が遠くまでメシを食いに行くのはこの店だけである。

でもそれだけではサスガにつまらないので、多摩丘陵の激坂ルートを巡ってきた。

俺はトライアスリート時代のコンディションの良かったころ、激坂を見るたびに頬を緩め、『む~フフフ、い~ね~』などと感嘆の息をもらす、若干アブない人だったことがある。

その頃に開拓した激坂をちょっと紹介しよう。

激坂その1 「百草園への坂」
こいつは激坂度★★★の、なかなか立派な激坂である。が、残念なことに交通量の多い川崎街道に近く、ロケーションが悪いのでルートに組み込み辛い。また、距離が短いので有用性はやや低い。場所



激坂その2 「程久保の坂」
こいつは激坂度★★ではあるが、短すぎず、辛いワリには足を着く心配もない、多摩の激坂好感度No.1の教科書に出てくるような激坂である。この空に昇っていくような激坂振りがたまらない。写真でも見えている坂の終わりが、実は終わりでなくもう少し続いちゃう辺りの試練度も精神的トレーニングに最適である。場所

府中方面への復路にはここにもナイスな激坂が。場所

ここは道が分かり辛いが、激坂に喘ぎながら正しいルート選択をできるようになったら、アナタもすっかりA級激坂マニアである。

本格的な(つまりある意味臭い)長浜とんこつラーメンが食える「六角堂」。前身の「八角堂」に比べとんこつ度が低下し、臭みが減少してとんこつファンからすると残念なのだが、それでもこの店を上回る“超細めん本格とんこつ”は他ではなかなかお目にかかれない(誰かいい店を知っていたら教えて!)。ちなみに臭みを薄めたのは、周辺住民から余りに臭くて苦情が来たそうだ。その頃は車で正面の道路の反対車線を走っていてもとんこつ臭を十分感知できた。場所

腹ごしらえがすんだら、
激坂その3 「(聖蹟)記念館通り」である。
こいつも激坂度は★★であるが、短くないし、左手に見える“ユルい”川崎街道を横目に、「わざわざ激坂を選んで登っている」感を全身に発散させながらペダルを踏んでいく“哀愁ストイック”スタイルが格好良過ぎる(と信じるヒト約1名)。場所

今回紹介した激坂を含む多摩丘陵のルートは、数年前まで使っていた通勤ライド(まれにランも)のコースである。当時の職場の日野市某所へは、多摩サイを使えば速かったが、トレーニングのためにわざわざ遠回りしてこのアップダウンの激しいルートを採用していた。満員電車で都内に通う現在の立場からすれば、酔狂だけど充実したナイスな通勤路だったなー、と思う。

090829Sat_和田峠サイクリング

7/25にも書いたが、夏といえばもちろん、
“ロードバイクでロングライドして途中で川の浅瀬に腰まで浸かってアイシングしながら昼飯”である。

そう言い出してからボケボケしているうちにもう1ヶ月である。俺は全く認めてはいないのだが、世間はそろそろ“秋”を意識し始めている。ヒジョーにけしからん(怒!)。
でも俺には「残暑」という心強い味方がいるからダイジョーブなのである。ウケケケケケ、ざまーみろ!



ロードバイクをイキナリ真面目に乗ると身体への負荷が半端無いので、今日もBD-1で“なんちゃってプチライド”してみた。ある程度刺激を入れるため、泣く子も黙る激坂『和田峠』(陣場高原)経由、『逆大垂水峠』越えを敢行。



と、言いつつも、大垂水の後は速攻でカワイク電車に乗っちゃう諦め具合が潔い今日この頃の俺である。まあ、BD-1の醍醐味は気が向いたらスグ電車に乗れちゃうトコなのである。

090825Tue_MTB_F峠リカバリーライド




先日の9日間の山行でサスガに体があちこち痛かったりギシギシするので、予備日としてキープしておいた夏休み最後の日にリカバリーをすることにした。



本来リカバリーは同じ運動を低負荷でやるといいので高尾山でも軽く歩いて来ればいいのだが、いくつか関節が痛むので、チャリに乗ることにした。今日は虫の季節になってから来ていないF峠へ。ひとりライドなら立ち止まってダベる相手がいないから虫が多くても平気である。

リカバリーだけなので、軽く2.5本くらい乗って五日市車庫へ。大して運動しなくてもビールはうまいから世の中都合いいのだ。

剱雲白・縦走記_(1/7)_立山編_剱岳~立山~五色ヶ原

*)このシリーズは時系列に並べてあります。

今年の夏休み、立山から南下、雲ノ平とそれを囲む山々を周遊し、裏銀座を北上して白馬までの縦走を計画してみた。全日程山小屋利用の楽チンお気楽トレッキングである。8/15(土)~8/24(月)の、うまく行けば10日間の予定なのだ。
(まとめの地図をご参照ください。)

【1日目】

府中の自宅を朝出発、八王子からスーパーあずさ1号利用で大町まで移動。お盆後半でやや混雑している黒部立山アルペンラインを利用し、黒部ダムを経て、時刻表1時間遅れで14時室堂入り。



雷鳥沢でイキナリ道を間違え、別山乗越へ登るつもりが、何故か真砂岳へ。タダでさえ遅れているのに更に1時間半の遅れ見込み。軽くパニクってトレラン状態で宿泊予定の剣山荘へ駆け込むと、何故か当初の予定より早く到着。8/15(土)だというのに空いていて、俺の寝床の両隣は空いていた。



室堂を見下ろす↑。
剣山荘テラスからは、この山行後半に登るつもりの五竜と鹿島槍↑が見えた。

【2日目】

ど迫力の剣岳↓。 剣と言うより「千本槍ヶ岳」みたいな気がした。ただ、今回の南壁からの登頂は難しくなかった。



立山信仰で“死の山”として怖れられ、敬遠されてきた剣岳。その山容を見る限り気持ちは良く分かる。永らく登頂が達成されず、三角点が設置されなかったため、日本地図最後の空白の地域だった。



山頂から、後立山連峰↓。天気が持てば一週間後にはあそこに居るはず。



続いて立山三山の主峰、雄山↓。山頂でお祓いをしてもらう。



立山から五色ヶ原へ。2日目を無事終える。五色ヶ原山荘では山小屋としては珍しく、風呂に入れた。

剱雲白・縦走記_(2/7)_雲ノ平編(I)_薬師岳


【3日目】

五色ヶ原は、どこからのアクセスも遠い奥地である。ここを訪れる人は、咲き乱れる高山植物の花々を眺めに来るのが普通である。しかし、シーズンの終わった今は、北アルプス最大と言われる薬師岳を越えようという人が多い。



俺はこの日は時間的余裕があったので、素直に5時の朝食を山荘でとり、夜明け後に出発。今日は、薬師岳↓を越えるだけだ。(この山行で最も楽な日となった)



五色ヶ原からは、アプローチだけでも少し時間がかかる。スゴ乗越からが本当の薬師登山。取っ付くと、ひたすら登る。まあひたすら下るより身体にいい。



振り返る↑と、剣(左)、立山(中)、後立山(鹿島槍、五竜)(右奥)が良く見える。一日離れただけで随分遠くに見えるものだ。右写真は薬師岳頂上付近。



薬師岳頂上からは、右奥に昨年登った槍穂連峰、手前に雲ノ平、左へ水晶岳、赤牛岳等が見えた。この後、何時間かちんたら下り、太郎平小屋へ投宿。ここはプレミアムモルツの生ビール(1,000円)が飲める。

剱雲白・縦走記_(3/7)_雲ノ平編(II)_太郎平~黒部五郎岳~高天原


【4日目】

前日楽だったが、この日は若干強行軍となる予定だったので、この山行唯一となる5時前(4.45)出発となった。となると山小屋の温かい朝食が食べられないが、まあ仕方ない。



早起きは何チャラの得で、三日月と明けの明星(金星)のコラボを拝むことができた。



太郎平から黒部五郎までは、なだらかな稜線歩き。欠伸をしながらノンビリ歩く。



“五郎”は岩がゴロゴロしているところ、という方言の“ゴーロ”に由来している。実際、その名に違わない(野口五郎も同じ)。山頂からは昨日登った薬師と、一昨日登った立山連峰が見えた。



黒部五郎は、頂上の稜線も含む、このカールが有名。稜線上も歩けるが、カール内を進んだほうが面白い。ここまでくると、槍穂連峰↑がかなり近くなる。



黒部五郎カール内部。独特の雰囲気、クララでも出てきそうである。「黒部五郎が一番好き」と言う人も実際少なくない。
(イヤ、別にハイジでもペーターでも、何ならおじいさんでも構わないけど)



続いて、三俣蓮華岳(左)。岐阜・富山・長野にまたがる花の山。さらに、百名山・鷲羽岳(右)もイキオイで登頂。



鷲羽から、温泉に入れる高天原まで一気に下る。右写真↑は、水晶池に映る水晶岳。



4泊目は梁の曲がった高天原山荘へ。すかさずビールを購入し、徒歩10分先の天然温泉へ。この温泉は最短でも2・3日歩かないと来る事ができない。山荘は電気のないランプだけの趣のある小屋で、1階に寝ていると2階の人の寝返りで天井がギシギシ音を立てる。んが、ビールはモルツだし、メシも旨いし、フロも入れてサイコーな山小屋の一つである。

剱雲白・縦走記_(4/7)_雲ノ平編(III)_雲ノ平~水晶岳~野口五郎岳


【5日目】

高天原にもっと居たかったが、カゲロウの一生とリーマンの休みは短いので、そうもして居られない。



前日まで歩いていた稜線が標高的に「高」なら高天原は「低」で、雲ノ平は「中」にある。今日は「低」から「中」を散歩し、「高」まで戻らなくてはいけない。要はそこまでしてでも、フロに入りたかったワケである。



雲ノ平に登ると、周囲に堂々たる山々が色々な表情を見せながら、ドスンと居座っていて見飽きることがない。ここからぐるりと見渡すだけで、百名山が4つ(薬師岳、黒部五郎岳、鷲羽岳、水晶岳)も間近に聳えている。



雲ノ平の木道をてくてく歩いていると、珍客が俺の周りを素速っこく走り回っているのに気づいた。ナキウサギである。鳴き声はよく聞いたが、その姿を見るのはこれが初めてである。



水晶岳↑は最も美しい山の一つだと思う。写真に収めるだけのウデが無いのが残念だが、あの黄緑と緑とダークグレーのストライプを呈する山容は忘れることができない。



水晶岳登頂後、いわゆる裏銀座の稜線上を行く。

最初に迎えてくれるのは、野口五郎岳↑の白い世界。これを乗り越えると野口五郎小屋(5泊目)。この小屋もいい山小屋だった。ここで知り合った人と消灯まで飲み、腹が痛くなるほど笑った。でも何の話だったのか、次の日全く覚えていなかった。4人で飲んだが、翌朝皆バラバラの方向へ散った。俺は、今まで南下してきたが、ここからは逆に北上することになる。

*) 歌手の野口五郎はヘリで何度かやってきたが、悪天候のため結局一度も入山していないそうだ(山小屋ご主人談)。名前を貰っておきながらバチ当りな奴である。てか、歩いて来いや!

*) 小屋で一緒に飲んだSさんは、黒部五郎小屋を朝出発した。“野口五郎”は歌手の名でもあるが、“黒部五郎”って奴もナンか居たハズだ!と一日歩きながらずっと悩んでいた。夕方、「あ、黒五郎だ!」 ・・・結構惜しかったらしい。