風邪を引いてしまった。
記憶を辿ると最後の風邪は7年半も前、ずいぶん健康管理をしっかりしてきたものだ。
のど飴やマスクを常備し、夏でも上着を持ち歩き、体調変化には過敏なくらい気を配ってきた。
そこまで嫌っていた風邪を引いてしまった。
そしてあのイヤな風邪の諸症状がやってきた。その中でもやっぱり一番つらいのは発熱・頭痛だ。
二日酔いの頭痛は半日もすれば治るし、いざとなれば頭痛薬を飲めば治るのでどうと言うことはない。
風邪の場合、免疫系がウィルスと戦うためにワザワザ発熱しているので、解熱なんてしてはいけない。辛かったらしてもいいかも知れないが、治癒が遅れて結局自分が疲労してしまう。
発熱を助けるため、ふとんにくるまってジッとしているしかない。他に何もできない、これがツラい。
寝られないトキはぼーっとした頭で考え事するくらいしかできない。だから今回、色々考えてしまった。
熱で重く締め付けられるような頭の所々で、ズキーん、ズキーん、と頭痛が繰り返される。
頭痛ほどイヤな痛みはない。何かとても悪質な痛み、という感じがする。苦しい痛みである。まさに“苦”痛である。
しかし、「痛み」に「苦しい」という字を付ける必要があるのだろうか。「痛い」ときは大抵「苦しい」のではないか、と思う。
“良”痛とか、“快”痛、などという言葉は聞いたことが無い。ん?でも「痛快」はあるな、痛快ってどんなときに使うんだっけ?
「イチローが放った痛快なタイムリーヒット!」
などと言うな、でも何が“痛い”んだ?“快い”だけじゃないのか?まさかバットの身になってやっているのか?ボールか?
「彼女がセクハラ部長にビンタしたとき、痛快な思いでした。」
とか言うな、でもやっぱり気持ちいいだけじゃないのか?
結局、「痛快」の意味は良くわからない。しかし頭痛の嫌な痛みを明確にするためには生っちょろい痛みとはちゃんと差別化しておきたい。
例えばどうだろう、マッサージとかでも痛いけど、あれは “気持ちのいい”痛みという気がする。
それから絶世の美女などに、「この甲斐性ナシ!」とか言われながらひっぱたかれるのも何となく気持ちよさそうだ。(?)
時間が許せば、おしりとかもたたかれてみたい気もする。(??)
あとアレはどうなのだろう、女王様役にヒールでグリグリとか、ローソクたらしとか、気持ちがいいのだろうか。貴重な人生、一度くらいは経験した方が良いのだろうか。
話がヘンな方向に行ってしまったが、“許せる”痛みと“許しがたい”痛みという区別はもっとちゃんとした方がいいのではないだろうか。