《3日目》
2泊した茶臼小屋を後にする。
稜線に上がると、この日もやはり良い天気。
最初の目標は、上河内岳。
げ、雷鳥。でも天気は崩れそうもない。
頂上に上ってみると、東に富士。
南に、前日歩いた茶臼・易老・光岳。
北に、これから行く聖・赤石・悪沢岳。
聖平への道は花が群生していた。丸葉岳ブキとトリカブト。
南アルプスの松虫草は色がやさしい。
岩弟切(イワオトギリ、オトギリソウの高山型)も岩肌を飾る。
昨日のうちに来ていたかもしれない聖平のテン場は広々としていた。
さて、お次は聖岳である。森林限界までは結構暑い。傾斜もキツく、気持ちいいくらい汗が流れる。
山頂から、明日の目標の赤石岳。
まあ、やや赤っぽくはある
山頂に荷物を置いて奥聖岳まで往復する人が多い。
ここから兎岳・小兎岳・中盛丸山を越えて百間洞山の家まで行かなければキャンプ指定地はない。
聖をこれでもか、というほど激下って、今度は兎を登る。逆から聖を登ってくる人は本当にタイヘンそうだった。
兎岳非難小屋は、非難できそうもなかった。(でもテントスペースはあった)
さて、本日最後の中盛丸山はナカナカ立派な山容である。が、9時間重い荷物を背負って来た身からすると鷹揚にメデる気になれないのが悲しい。
苦労して登っても頂上には看板すらないし。オマケに約10時間歩いて出発地点がまだ見える、というのも結構ワビしい。
ともあれ無事キャンプ指定地到着。聖から確認してから5時間弱、チラチラ見えている場所になかなか着かない、というのも精神的に辛いものだ。
お隣さんはウルトラライト仕様。荷物は乾燥重量で6-7kgと言う。俺の1/4!? 1日の移動距離は俺の1.5-2日分。羨ましがっていると、「でも若いうちは重いの背負ってたほうがいいよ」とススメられる。
別に若くはないが重い荷物は定期的に背負っていないと担げなくなるのは間違いない。
このテン場では色々な人に色々なことを教えてもらった。山は奥が深い。学生の頃から断続的に10年以上登っているが、俺なんてまだまだ初心者だなあ、と思った。
【行程】
3日目
茶臼小屋 5.00 - 聖岳 - (奥聖) - 11.30 - 16.15 百間洞山の家