俺は今、中米のパナマにいる。パナマと言えば運河である。
改めて地図を見てみると、地峡と呼ばれる本当に細くつながった陸地である。ここは、南北アメリカ大陸間の海底が隆起してできた、“大陸の橋”である。
水位が同じになるとLockが開き、
めでたく船が通過できる。
世界に一つの、この水路が世界の貿易に影響を与えているとは何とも愉快な話ではないか。
改めて地図を見てみると、地峡と呼ばれる本当に細くつながった陸地である。ここは、南北アメリカ大陸間の海底が隆起してできた、“大陸の橋”である。
大航海時代にこの地峡を「発見」したスペインはすぐに運河の建設を構想するが、技術力の不足から夢物語に終わり、400年後の20世紀初頭にようやくアメリカによって実現された。この大工事には10年かかった。長いと言えば長いが、規模と時代を考えると非常に短い。今から100年ちょい前の話である。
パナマ運河が水位を変化させて船を通行させることは何となく知ってはいたが、太平洋と大西洋の水位差が理由だと思っていた。
しかし、実際は下図のように、川を遡り、湖を渡って26mの水位差を越えるためであった。両大洋間の差なんて問題にならないらしい。
今回、その運河を見に行った。
船は次々とやって来る。下の写真、“Lock”の前後の水位差の変化に注目してほしい。どんどん縮まり、平均化される。
水位が同じになるとLockが開き、
めでたく船が通過できる。
しっかし、こんなにもギリギリの幅に造らなくてもいいのでは?
と思ったが、話が逆だった。
100年前、この幅を通れない船は無かった。しかし今はこの91mという幅が“Panamax”という規格になり、船の方がこの運河を通れる幅に設計されているという。
世界に一つの、この水路が世界の貿易に影響を与えているとは何とも愉快な話ではないか。