130526Sun-27Mon_東北東に進路をとれ! “裏”丹沢縦走記


6月も近いと言うのに、今年はまだ1回しか登山していない。そういえば最近は山より海が多かった気がする。

という訳で日曜から月曜にかけて西丹沢を縦走することにした。月曜は会社の創立記念日で、平日のメリットを生かせる場所を選んだ。

今回計画したのは道志川に沿う菰釣~大室山の尾根を東北東へ直進するルートで、軽く一泊縦走するのにちょうど良さそうだ。ガンバれば1日でも行ける距離だが、水場が無いのがツラい。


中央道府中からバスに乗り、昼飯を食いながら山中湖へ。山中湖ロードレースの影響で渋滞、東岸の平野バス停に13:04着の予定が14時半ころ到着した。


小屋までの行程は地図上で5時間となっており、明るい内に到着しそうにない。

とりあえず目指すのは高指(たかざす)山である。こじんまりとした山だが、登ってみると山中湖方面の眺望が良い。ただ、残念ながら富士山は見られなかった。


余り人気の無さそうなルートなので荒れた道を想像していたが、実際は結構歩きやすい。


目指す菰釣(こもつるし)山までは全体に登り基調だ。水場をアテにせず2日分(4L)を持ってきたので重い。

夕方にかけて霧が流れてくる。登りでヒートアップした身体にヒンヤリした風が心地よい。


ときどき立ち止まって心拍を下げる。肺胞ひとつひとつに霧の粒子を吸い込むように思いっきり深呼吸する。

うーん、山はええのぉ。海じゃ深呼吸しないもんなぁ。

久々の山行を楽しみつつも順調に歩を進め、菰釣山、ちょっと下ってすぐに非難小屋到着。新しい上に、使用者が相当気を使っているらしく、ゴミ一つ落ちていない。この小屋は人気がありそうなので土曜に来たくなかった。

アミ戸付の避難小屋なんて初めてお目に掛かった

やれやれ、と水浴びできるかと水場に向うと、この看板↓。「往復40分はナイな・・しかも絶対登りで汗かくでしょ」 と断念。でもスデに激しく汗をかいたので、貴重な水を工夫して頭を洗い、身体を拭う。すっきりした後は、やっぱり乾杯!明るいうちに着いてよかった・・

冷やせないトキは黒ビールが美味い!

すぐに暗くなり涼しくなってきたので焼酎お湯割。風と虫の声しか聞こえない、静かな山の夜をまったりと過ごす。

ひさしぶりの山で予想以上に疲れていたのか早くに眠くなる。夏山高山用の寝袋(Montbell#3)ではサスガに暑いし、アミ戸もついているので窓全開で就寝。 Zzz…

真夜中にバリバリいう音で目を覚ます。ネズミかな? 「ウルセーッ!!」と怒鳴ると音がピタっと止む。

だがまたしばらくすると …バリバリバリバリバリバリバリバリ

くそ~。音の行方を辿ってゆくと床に小さな穴があり、近くに俺が食ったパンの袋があった。こいつを齧っていたのか。


ゴミを回収し、「もっといいモンやるよ」と、小さい羊羹を代わりに置き、他の食料は紐につるして確保、また寝袋に潜り込んだ。その後は音はせず朝まで快眠できた。

次の朝、4時半頃目が覚めた。もう明るくなっており、すぐに朝日が昇ってきた。


前日、色々な液体を消費して荷物は3kg以上 軽くなったはずだが、1日目よりアップダウンがあって結局キツい。

ときどき咲いているツツジを見ながら休憩しつつ、ひたすら東北東方面を目指す。


このルート、よく整備されているがやはり人気は無いようだ。この山行で会った人は、日曜ひとり、月曜ひとりだけだった。


丹沢の人気コースは、大山を除けばやはり塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳・檜洞丸あたりで、これが“表”という気がする。一方、今回のコースはいかにも“裏”っぽい。「丹沢裏街道」という気配が濃厚である。

加入道(かにゅうどう)山の手前で昼メシにする(MTB仲間にもらった賞味期限切れアルファ米)


加入道山の頂上直下にも非難小屋がある。覗いてみると、菰釣小屋とほぼ同じ造り。清潔にしてあるが、こちらのほうがだいぶ古そうだ。


次は最終目的地の大室山である。 加入道山からは起伏も穏やかで距離も近く、セットで登られると思われ、良く踏まれていて歩きやすい。

こういうトレイルは歩いているだけで楽しい

以前の勤務地であった日野市付近から富士山を眺めると、いつも手前に小さな山がカブって見えた。それが大室山であり、一度登ってみたいと思っていた。

ま、何のヘンテツもない山だったが・・

大室山からバス停のある東野へ降りる道は地図上に“迷”マークが点在している。確かに分かり辛い箇所は多いが、動物の踏み跡に惑わされないよう、進路を東~北東に確保しながら慎重にルートを探せば問題ない。


カネツキ山にはやはり鐘があった(撞きました)。ここからは迷うところは無く、順調に下山。麓に出ると神之川キャンプ場。 

東野から入山する人のために記しておくと、この橋を渡ってちょっと左に行くと小さな看板と登山道が見つかる。そこまでの案内はほとんど無いので注意。

舗装路を辿って東野へ。振り返ると雲が掛かりつつある大室山。


東野バス停の目の前には鶴屋という旅館がある。ここでフロに入り、ビールを飲みつつバスを待った。道志みち沿いのバスは休日の便が極端に少ないので、平日登山をオススメする。

藤野方面へは“やまなみ温泉”を経由しなくてはならない。何となく施設利用を促がされているようで使うのがイヤだったが、温泉とは別で、単に路線的にターミナルになっているだけだった。すぐにJR藤野駅行きに接続して、明るいうちに帰宅できた。出発も遅く、帰りも早いワリには結構歩けていい山行だった。

なお、当ルート上にMTBで乗れるような箇所は全くありません。

【行程】
中央道府中BS 11.06 - 14.30 山中湖・平野BS - (3h45m) - 18.15 菰釣非難小屋(泊) 5.40 - (8h40m) - 14.20 東野BS

※モノレールの写真はネット上から頂戴しました。