前から気になっていた白峰南嶺を歩くことにした。問題はアプローチである。
いろいろと考えた末、二軒小屋から蝙蝠岳経由で雪投沢(岳沢)を下降、大井川東俣を越え、どうにか白峰南嶺に乗り、南下して畑薙ダムへ、というルートを思いついた。6日間程度の予定である。
6/18【0日目】二軒小屋前泊
14:00 畑薙第一ダム着。更に沼ノ平まで行き、車をデポ。ダムまで歩いて戻り、15:00 送迎車にて二軒小屋へ。
【1日目】二軒小屋~蝙蝠岳~雪投沢
3:30起床、4:20発、7℃。陽の長いこの時期、ハナからヘッデンは要らない。樹林帯の腐り気味の残雪に手こずり随分時間をロスする。雪の上に先行者の足跡は無い。ひたすらだらだら登り、7h20m後ようやく蝙蝠岳頂上へ。
直下の幕営適地で14:00、微妙な時間。積雪状況も確かめたいし更に進む。
沢の雪は嫌なので、どんどんパスして結局ほとんど沢を下りきってビバークした(16:30)。陽が長いから自ずと行動時間も長くなる。
【2日目】雪投沢~東俣~白河内西尾根~奈良田越
4:00起床、5:10発、6℃。25分で東俣の広河原に出る。
入山前の予報で翌日が雨予報だったので川沿いに歩いて二軒小屋にエスケするのが大人の判断。候補だった広河内岳西尾根、池ノ沢からの白峰南嶺取り付きは方向が逆行なのでパスして南下する。
が、小一時間で平和過ぎる河原歩きに飽き、ムショーに南嶺を歩きたくなり地形図を睨んで長考。少し戻れば白河内の西尾根から行けるのでは?と思う。
水を汲み。涸れた沢から取り付く(6:30)。
最初は大したことは無かったのだが、稜線手前で猛烈なハイマツの藪に歓迎される。結局、標高差600Mを5h50mかかって白河内岳へ(12:20)。
“白”河内岳の山頂は赤かった。
この後、笹山に幕営適地があったが翌日の雨予報が気になり奈良田越まで進む(17:20)。ここも水場はないがいいテン場だった。
ラジオで天気を確認すると早朝から雨、次第に強雨となり土砂崩れ、増水に注意せよと言っている。
【3日目】奈良田越~伝付峠~二軒小屋(雨エスケープ)
未明にツェルトを叩く雨音で目覚める。装備を濡らしてから撤収するのは嫌なので、暗い中出発(3:00)。この周囲、暗いと道が分かりにくい。迷いながらも南下する林道に入り、雨中寒いので速足で歩く。
この林道歩きはつまらないが、降られたのがここで良かった。5:30伝付峠、6:30二軒小屋着。完全予約制なので断られるかと思ったが泊めてもらえた。
(登山小屋(¥4000)は無条件で泊まれるようだが、滞在時間が長いし、風呂に入りたいのでロッジ(素泊まり¥8000)を選択。)
【4日目】二軒小屋~伝付峠~笊ヶ岳~所ノ沢越
3:00起床、4:15発、10℃。伝付峠まで登り返す。幕営適地の多いなだらかな笹原である。
最初は林道を進み、その後なだらかな尾根に入る。
いくつかのピークを越え、本日メインの笊ヶ岳の双耳峰を確認。
ここで4日振りに電波が入ったのでメール対応などして30分休憩。
ここから少し南下した布引山にも幕営適地があるが、水は無いので所ノ沢越まで進む。5分ほど西へ下って水場へ(16:15)。
寒くはないが虫が多かったので焚火で追い払う。
【5日目】所ノ沢越~青薙山~沼ノ平
5:30発、7℃。朝からいい天気。
稲又山、青薙山へと雰囲気の良い明るい森が続く。地形もなだらかで歩きやすい。
赤崩ノ頭の向こうに光岳までの並びが見えた。
池ノ平も湧水とフラットスペースのある幕営好適地だが、俺はもう来ないだろうなぁ。
その後は辛い急坂を下り、畑薙湖の林道へ出る。一時間ほど歩き、車をデポした沼ノ平へ(13:30)。
《まとめ》
【1日目】二軒小屋~蝙蝠岳~雪投沢(晴れ:行動時間12h10m)
【2日目】雪投沢~東俣~白河内西尾根~奈良田越(晴れ:行動時間12h10m)
【3日目】奈良田越~伝付峠~二軒小屋(小雨→大雨:行動時間3h30m)
【4日目】二軒小屋~伝付峠~笊ヶ岳~所ノ沢越(曇り→晴れ:行動時間12h00m)
【5日目】所ノ沢越~青薙山~沼ノ平(晴れ:行動時間8h00m)
- 山と高原地図のコースタイムはいつになく正確な気がした。が、コメントは大げさ。
- この山行中、二軒小屋以外では誰にも会わなかった。
- 二軒小屋は風呂・ウォシュレット、お湯の給水完備で快適。部屋にコンセントもあった。
- 二軒小屋はビールの自販、一般ごみのゴミ箱が外にある。
- 雪投沢下降の代わりに熊の平小屋~農鳥経由の稜線通しでもいいかも。
- 沢靴は持って行かず、渡渉は靴の上に靴下を被せて行った。
- 補助ロープは持参したが出番なし。
- 白峰南嶺は踏み跡は思ったよりハッキリし、ピンクテープも多いが地形図はあった方がいい。
- 白峰南嶺は幕営適地が多く、水さえ多く持てば無計画に進めそう。
- 沼ノ平は事務所がそばにあるので、車デポしても何となく安心。
- 下山後は白樺荘赤石温泉が¥510で露天風呂もあり快適だった。
いろいろと考えた末、二軒小屋から蝙蝠岳経由で雪投沢(岳沢)を下降、大井川東俣を越え、どうにか白峰南嶺に乗り、南下して畑薙ダムへ、というルートを思いついた。6日間程度の予定である。
6/18【0日目】二軒小屋前泊
14:00 畑薙第一ダム着。更に沼ノ平まで行き、車をデポ。ダムまで歩いて戻り、15:00 送迎車にて二軒小屋へ。
【1日目】二軒小屋~蝙蝠岳~雪投沢
3:30起床、4:20発、7℃。陽の長いこの時期、ハナからヘッデンは要らない。樹林帯の腐り気味の残雪に手こずり随分時間をロスする。雪の上に先行者の足跡は無い。ひたすらだらだら登り、7h20m後ようやく蝙蝠岳頂上へ。
山頂手前から、奥は塩見岳。
悪沢・千枚方面
歩いて来た長~い尾根と、その奥に富士。
塩見に向って再び北上
中央・北アルプスも良く見える
塩見手前、仙丈・間ノ岳・農鳥を眺めながら雪投げ沢へ下降(13:20)。
沢の雪は嫌なので、どんどんパスして結局ほとんど沢を下りきってビバークした(16:30)。陽が長いから自ずと行動時間も長くなる。
【2日目】雪投沢~東俣~白河内西尾根~奈良田越
4:00起床、5:10発、6℃。25分で東俣の広河原に出る。
入山前の予報で翌日が雨予報だったので川沿いに歩いて二軒小屋にエスケするのが大人の判断。候補だった広河内岳西尾根、池ノ沢からの白峰南嶺取り付きは方向が逆行なのでパスして南下する。
が、小一時間で平和過ぎる河原歩きに飽き、ムショーに南嶺を歩きたくなり地形図を睨んで長考。少し戻れば白河内の西尾根から行けるのでは?と思う。
水を汲み。涸れた沢から取り付く(6:30)。
最初は大したことは無かったのだが、稜線手前で猛烈なハイマツの藪に歓迎される。結局、標高差600Mを5h50mかかって白河内岳へ(12:20)。
途中で見えた池の沢、残雪は在るがコレ遡行が正解だったか?
“白”河内岳の山頂は赤かった。
農鳥方面
ラジオで天気を確認すると早朝から雨、次第に強雨となり土砂崩れ、増水に注意せよと言っている。
【3日目】奈良田越~伝付峠~二軒小屋(雨エスケープ)
未明にツェルトを叩く雨音で目覚める。装備を濡らしてから撤収するのは嫌なので、暗い中出発(3:00)。この周囲、暗いと道が分かりにくい。迷いながらも南下する林道に入り、雨中寒いので速足で歩く。
この林道歩きはつまらないが、降られたのがここで良かった。5:30伝付峠、6:30二軒小屋着。完全予約制なので断られるかと思ったが泊めてもらえた。
(登山小屋(¥4000)は無条件で泊まれるようだが、滞在時間が長いし、風呂に入りたいのでロッジ(素泊まり¥8000)を選択。)
白河内岳西尾根の藪こぎの痕。服・スパッツの上からでもコレだもの。
風呂あがり、ビールを飲みながら雨を眺める。
きれいな蛾
【4日目】二軒小屋~伝付峠~笊ヶ岳~所ノ沢越
3:00起床、4:15発、10℃。伝付峠まで登り返す。幕営適地の多いなだらかな笹原である。
一応水場も確認しておこうと東へ5分下る。テンバは狭い。俺だったら身体洗って水汲んだら峠まで登って幕営するだろうなぁ。
水場上部から。水場での眺望はない。
最初は林道を進み、その後なだらかな尾根に入る。
MTBで逆に下ったらさぞ楽しかろう
出発から8h35m、笊ヶ岳山頂に着いた途端、陽が出て南アルプスの大パノラマが眼前に広がる(12:50)。
ここから少し南下した布引山にも幕営適地があるが、水は無いので所ノ沢越まで進む。5分ほど西へ下って水場へ(16:15)。
清涼な沢で身体を洗い、ビールを冷やす。
寒くはないが虫が多かったので焚火で追い払う。
【5日目】所ノ沢越~青薙山~沼ノ平
5:30発、7℃。朝からいい天気。
稲又山、青薙山へと雰囲気の良い明るい森が続く。地形もなだらかで歩きやすい。
赤崩ノ頭の向こうに光岳までの並びが見えた。
その後は辛い急坂を下り、畑薙湖の林道へ出る。一時間ほど歩き、車をデポした沼ノ平へ(13:30)。
【1日目】二軒小屋~蝙蝠岳~雪投沢(晴れ:行動時間12h10m)
【2日目】雪投沢~東俣~白河内西尾根~奈良田越(晴れ:行動時間12h10m)
【3日目】奈良田越~伝付峠~二軒小屋(小雨→大雨:行動時間3h30m)
【4日目】二軒小屋~伝付峠~笊ヶ岳~所ノ沢越(曇り→晴れ:行動時間12h00m)
【5日目】所ノ沢越~青薙山~沼ノ平(晴れ:行動時間8h00m)
- 山と高原地図のコースタイムはいつになく正確な気がした。が、コメントは大げさ。
- この山行中、二軒小屋以外では誰にも会わなかった。
- 二軒小屋は風呂・ウォシュレット、お湯の給水完備で快適。部屋にコンセントもあった。
- 二軒小屋はビールの自販、一般ごみのゴミ箱が外にある。
- 雪投沢下降の代わりに熊の平小屋~農鳥経由の稜線通しでもいいかも。
- 沢靴は持って行かず、渡渉は靴の上に靴下を被せて行った。
- 補助ロープは持参したが出番なし。
- 白峰南嶺は踏み跡は思ったよりハッキリし、ピンクテープも多いが地形図はあった方がいい。
- 白峰南嶺は幕営適地が多く、水さえ多く持てば無計画に進めそう。
- 沼ノ平は事務所がそばにあるので、車デポしても何となく安心。
- 下山後は白樺荘赤石温泉が¥510で露天風呂もあり快適だった。
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