ゆらゆらとユーコン -2


いい感じのところがめっかったので、早々に落ち着く。



飲み水は川や沢の水をマイクロフィルターでろ過し、ガソリンストーブや焚火で煮沸して作る。


≪5日目≫

白夜といえど、1-4時頃は暗い。も少し寝るか。



昨年の山火事の後の両岸を縫ってゆく、この火事の中下った人に会ったが、“戦火をくぐって行くようで怖かった”と言っていた。



この日もの~んびり流れ、気持ちよさげな中の島を見っけてキャンプする。クマが居ないかどうか、チェックできるほど小さい島ではなかったが、取り敢えず居ないと信じた。(リスはいっぱい居た)


22時半頃、ようやく夕陽っぽくなり、24時になると本が読みづらくなる。睡眠時間は自分でちゃんと管理しないとメチャメチャになる。


≪6日目≫

なんか朝から天気がイマイチ。



川向こうの丘に掛かったモヤが取れたら出かけよう、と本など読んでいるうちに腹が減り、昼飯を食ってウトウトなどしている内にフネを漕ぎ出す気が失せて、同じ場所にもう1泊することに・・


でも自然にこんないいテン場があることが不思議でしょうがない。川の間際で静かに風が吹き、蚊はおらず、乾燥した枯れ木は多く焚き火に苦労せず、地面はウッドチップが敷き詰められたようでフッカフカで、連泊したくもなる。

≪7日目≫

また次の日もどんよりして、時よりパラついた。
けど3泊はねーな、と思い、出発。


でも、雲がかかっている方が偉大な自然の神々しさが増す気がした。何万年前と、同じ景色を見ているのだろう。


ふと、右岸の丘を斜めに走るトレイルを発見。フネを漕ぎつけて登ってみると、悠然と流れるユーコンの姿が。たまに上から眺めるのもいい。


雲が綺麗だ、空が偉大だ。しかも川面に映り、倍になって目に飛び込んでくる。



野田知佑の本に「ユーコン本流が濁ってくるとルアーが効かなくなるから、流れ込みに入って竿を振る」とあったのを思い出し、Little Salmon River との合流点で振ってみる。


今まで掛からなかったのが不思議なくらい、簡単に Grayling などがヒットする。たて続けに3匹ほど釣れたが、食べきれる分を考えて元気なのはリリースする。


Grayling はキレイな魚だった。ニジマスのような淡白な味だった。唐揚げとかが一番いいんだろうな、と思ったけどそんなメンドいことはせず、二枚におろして塩焼きとホイル焼きにして平らげた。



俺は釣っておいて食わないのは嫌いだ。だからリリースした魚には「悪いことをした」と思った。