ゆらゆらとユーコン -3

≪8日目≫

“Cut Bank”は地層が川の侵食で崩れたところで、透水層を横切っていると、湧水が出ていることがある。


何百キロも流れた表流水より新鮮なので、補給しておく。お湯割りの味が全然違う。


GPSで確認しながら進んでいくと、旅も終わりに近いことが分かり、寂しい気持ちになる。


最後になるであろう、ナイスな小島に上陸。


見られる相手もないのに、綺麗に咲く花々を見ていると不思議な気分になる。


トウヒは北の大地に最も似合う樹だろう。この甘く、爽やかな香り。


誰もいない、静かな、この川の中の島、シネマスコープの空に、雲のゆらめきと長い夕日を見つめながら、船底で冷やされた最後の一本のカナディアンビアを煽る。




22時半、やっとそれらしくなるまで、ゆっくりと空を眺める。こんな贅沢はどうしたら他に得られるのだろうか。



≪9日目≫

名残惜しむような快晴、350km下り、山並みはずいぶん開けてきたようだ。空が、大きい。


バシャバシャと、随分でかい魚が跳ねているようなので、竿を一生懸命振っていると、犯人はビーバーだった。


そうこうしている内に、終着点(カヌーレンタル会社に頼んだピックアップポイント)の”Carmacks Campground”へ。(居眠りとかして通り過ぎたらどおなるんだろうか・・・)



終着駅には、”文明”が待っていた。


チーズバーガーが、えらく手の込んだ料理に見える。
ウマイが、カナダの食いもん(外食)は高い。(↓多分7-8ドルしたと思う)


無事、カヌーレンタル会社にピックアップしてもらい、拠点の街、Whitehorse ヘ。