飲食物を「うまい」と思うとき、その「うまい」は、大きく分けて3種類くらいに分類される気がする。
1つに、純粋に味だけで「うまい」と思う、絶対的ヤミー (yummy)。これはまあ、フツーのヤミー。
2つ目に、状況による「うまい」。ハイキングのおにぎりや海の家の焼きそば、山小屋で飲む生ビール、焚火で焼くイワシ、冬山のカップラーメン(カレー味)、インドネシアのサンバル、ベトナムのニョクマム・・
あ、ちょっとキリが無いな、要は限定的な場面でひときわ輝きを放つ、状況的ヤミー。
3つ目に、値段の割には「うまい」、という美味しさの密度とも言うべき、経済的ヤミー。これはつまり、1円当たりの美味しさであるから、必然的に“ヤミー・パー・エン”(yammy/yen or Y/Y)という単位で表現される訳だ。 (このY/Yの話をすると、大抵の人は俺の顔を見て「やれやれ困ったヒトだなぁ」という表情を浮かべるのを知っている俺はここら辺の詳しい説明を割愛して話を進める。)
ともかく、ここインドのゴアで酒に関して語るのであれば、Y/Yの概念抜きにして議論することはできない。つまり、美味しいのに安いのである。(あ、ナンかこの説明だけで良かった気がしてきた)
ゴアで初めてお目にかかったデンマークのTUBORG、これ330mLで45円。やめられません。
450円だってビールは買うけど、こいつの場合何だか世界経済に合わせてとにかく10本買って一気に飲みたくなる(4本で断念)。ビンってのがまたいいよネー。これ今回の定番に就任。
インドのいいところは、ホテルのルームサービスでも、市場価格に毛が生えた位の値段で提供されること。50円の品が60円とか。このインドを代表するキングフィッシャービール(650mL、日本の中瓶級)は、ルームサービスで150円。わざわざ外から買ってくる意味が無い。
カールスバーグ(330mL、53円)は香りが高く、ゆっくり飲みたい味わい。モルツ派の人にお勧め。
今回のヒットは、ワインがうまいことである。前回はナンかワインに関して批判的な書き方をしていたが、ここで深くお詫びをしなければならない。今出回っているのは2010年ものだが、インドでは当たり年だったのだろうか。
継続的に飲める「毎日のワイン」は、価格帯が300円弱~400円くらいである。味は日本で買う1000円前後のワインくらいな感じ。
「お、これは」と思うご褒美的な味がしたのは、間違って買った800円弱の“ZANPA”だった。なんか焼酎みたいな名前だ。しかし、こういうウマいけど高い(そうか?)のはダメなのである。というか高いのはウマくて当然だから、褒めてあげなくていいのである。そして、褒めてあげようかどうかと迷ったときの判断に有用な指標がY/Yなのである!
ゴアの酒の高Y/Yの理由は、免税か減税されてるからではないであろうか、アルコール類にはこういう↑表示があるし、他の都市から来ている酒好きのインド人は、「自分の街では酒の値段は5-6倍する、ゴア出張は最高だ!」と言っていた。ゴアはやっぱりインドでも特別な地域らしい。