ウラジオストクのヤポンスキー


ウラジオストクは地理的に近い、本当に近い。往路2h45m、復路2h25mのフライト、なんていう海外出張は初めてである。


前に日露戦争を引き合いに出したが、この都市はもともとホンマもんの軍事都市である。何しろ“ウラジオストク”という言葉は、「東方の支配」という意味らしい。

ちょっと名前が恐ろし過ぎる。「あ、ぼく“樺太返せ”市の出身です、とか「こないだ“東シナ海オレのモノ”県に出張しました」とかあんまり聞かないから日本には無いと思われる。

今でも湾には軍艦がいっぱい

なのでやっぱり、歴史的には敵国。それは実際紛れもない事実で、平和条約も無いから地形図なども入手できず、仕事上の障害も実際あった。


一方ヤポンスキー(Japanese)の技術は広く認められており、我々はどこへ行っても歓迎された。「これを日本ではどうやっていますか?」などと技術者の態度はとても謙虚だった。

さすがロシアは先進国。何が問題なのか、何が大切で何が足りないのか考えている。ODAで行く途上国では感じたことが無かったが、ロシアの人はマジメで先見的。姿勢が全然違う。

浄水場で困った時にだけ使う、と言っていた薬品は日本製だった。ちょっと高いらしい。

街を走っている車で一番多いのは日本車。故障しないので現場でも大いに活躍していた。

俺のチャリンコを見てくれ!という作業員に付いていくと、MIYATAの自転車だった。


現場で「何か困っていることはありますか?」と聞くと、答えは「機械を全部日本製にしたい」だった。評判は悪いが国産・中国・韓国製の方が安いから多く出回っている。)

いいものが求められる世界がまだあるんだなぁ、ヤポンスキー、ハラッショー!